………。


「えええぇぇぇぇぇ!?」

「…早和、うるさい!」


結希ちゃんが耳を押さえながら抗議する。

…けど、その声は私の耳をすり抜けただけだった。


「なっなんで!なんで明と勝負しなきゃならないの!」


そんなの聞いてないよ!


「早和がいいって言ったんだからね?」


た、確かに言った…。


「で、早和が勝ったら夏祭りに明も一緒に行く事!」


実は、明は毎年夏祭りには行かないの。

なんでも、雑鬼がいっぱい居すぎて無駄に疲れるから…らしい。

私には本当に小さな頃しか一緒に行った記憶が無いんだ。

だから一緒に行ってくれるのは嬉しい。


「…えぇ…」


…当の明はものすごく嫌そうだけど。


「…そして!」


結希ちゃんが私をビシッと指す。