「さーわっ!どうしたの?ぼーっとして」


ひょこっと結希ちゃんが顔をのぞかせる。

いつのまにか、自分の世界に入り込んじゃってたみたい。


「ううん。なんでもない。行こっ!結希ちゃん。遅刻しちゃうよ」


私は結希ちゃんに笑いかけながら、歩くスピードをちょっと上げた。


「おーい!置いてくぞー!」


遠くで明と渉くんが叫んでる。


「「ちょっと待ってよ―!」」


そう返しながら、結希ちゃんと二人で走って追いかけた。

そして、今日も、賑やかな一日が始まる。