「…ぅぅ…」


結希ちゃんにつつかれて小さくなっていると、バスが停車した。


「ほらっ!とりあえず降りよう!」

「…うん…」


結希ちゃんに手を引かれて降りた先に待っていたのは…


「うっわぁ…!すごい!!ここに泊まるの!?」


すっごく豪華なホテル。

…ていうか修学旅行でもないのにこんなとこに泊まっていいのかな!?

思わずそんな事を考えてしまったくらいに大きくて立派なんです。


「いいんだよ」


そう言って横から出てきたのは渉くん。


「え…え?何が?」


訳がわからずそう言うと、渉くんがクスッと笑った。


「早和ちゃん、さっきの口に出してたよ?」

「え!?////本当!?」

「本当。…で、なんでかっていうとこのホテル、うちの父さんの会社のだから」


…い、今、さらっとすごい事言いましたよね…?


「…こ、ここって、東雲財閥のホテル…なの?」