ふすまの向こうにいるであろうお姉ちゃんに声をかける。
………けど、答えが返ってこない。
どうしたんだろう?
聞こえなかったのかな?
「お姉ちゃん?入るよー」
とりあえず声をかけてふすまを開ける。
そこには…
「…早和お姉ちゃん…?」
誰もいなかった。
「え…?お姉ちゃん…?どこ…?」
部屋の中に入って探す。
でも、どこにもいない。
この家は代々続く陰陽師の家。
お父さんの結界もあるし、簡単に妖怪が入って来れる訳が無い。
…でももし、私達に気付かれないようにお姉ちゃんをさらっていけるほどの大物が来たとしたら……。
さぁ…っと血の気が引いたのが自分でもわかった。