明が歩き出した瞬間、落ちそうになってギュッと抱きつく。


「あれ?早和ちゃん積極的だね?」


それを見た明が楽しそうに笑いながら言う。


「積極的なんかじゃないもん!つかまってないと落ちそうになるから…」

「ふーん…?」


明はまだニヤニヤしたまま…。


「…絶対楽しんでるでしょ。…明のイジワル」


むーっとちょっと睨みながら見上げる。


「早和が睨んでも全然怖くないから。それから…その顔、他の男の前でするなよ?」

「…なんで?」

「なんででも。俺の苦労が増えるから」

「…?」

「わからないならいいよ」

「…そう?」


明は訳がわかってない私を見て苦笑いした後、部屋に入ってドアをパタンと閉めた―――……