私が悲鳴を上げた理由。
それは…
「明っ!降ろしてぇっ!!」
「だーめ。どうせ降ろしたって歩けないだろ?観念して大人しくしてろ」
「でも重いからぁっ!別の方法考えようよっ!」
………明が私をお姫様だっこしたから。
「あーもう。だから言ったのに」
じたばたと暴れる私を見ながら明はそう言うと、ため息をついた。
「早和ちゃん?今は深夜でここは廊下なんですけど?安眠妨害になるから騒ぐのは止めようね?」
「う…っ」
た、確かに…。
うるさかったよね?
陽ちゃんとか起きちゃったりしてないかな…。
「大丈夫だよ。陽香は結構深く寝るタイプだから」
明が私の心を見透かしたように答える。
「そっか…良かった…。…って、なんで心配してたってわかったの?」
「早和の考えることなんてこれだけ長く幼なじみやってたらわかるっつーの」
「…そういうもの?」