不安が一気に押し寄せて、目の前がどんどんぼやけていく。

堪らなくなって自分の体をギュッと抱きしめた時、ガチャッとドアが開いた。

と同時に安心感が心の中に広がっていく。


「あきら…」


つい力が抜けてへなへなとその場に座り込む。


「さっ早和!」


そんな私を見て明が焦った声を出した。


「大丈夫。力が抜けちゃって…」


慌ててしゃがんだ明を見上げてちょっと微笑んだ。


「ほんとに大丈夫かよ。…涙目じゃん」

「うん。安心しちゃって…。明の声が返ってこなかったからすっごく不安になっちゃったんだもん」

「ああ…ごめん。びっくりしてすぐに答えられなかったんだよ。こんな時間に来るとは思わなかったから」

「うん。ごめんね…。寝てるかなって思ったけど、会いたかったから…。もし寝てたら引き返すつもりだったんだけど」

「そろそろ寝るつもりだったよ。…ま、とりあえず部屋に入れよ。話はそれから聞くから」


そう言って立ち上がった明を見て、ちょっと困る。


「どうしたんだよ」


明が不思議そうに見てくる。


「あの…実は…」

「…何?」