2mくらいありそうな高い身長。

何か服を着た人型。

背には大きな羽。

暗闇でシルエットしかわからないけれど、大きな妖怪が目の前に立っていた。


「ほう?人間か。我らが見えるのだな?どれ、顔がよく見えぬ。こっちへおいで」


口調こそ優しいけど、そこに含まれるのは嘲笑。

ダメ…行ったら、絶対に喰われる…。

でも、体が固まって逃げだすこともできない。


「なぜ答えぬ?おや、震えているではないか。寒いのだろう?さあこっちへおいで。………寒さなどすぐに感じなくなるさ」


………っっ!

感じなくなる…って、やっぱり…

ゆっくりと目の前に妖怪の手が迫ってくる。

やだ…!

こわいよ…!

たすけて…

誰か…

………明、助けて…!