嬉しいけど、明は私なんかじゃ好きじゃないだろうから…。

私なんかとこんな事言われたら迷惑だよね。

そう思って答えたら、香織さんがびっくりした顔で明を見た。


「明、もしかしてまだ言ってないの!?ダメじゃない!早くしないと取られちゃうわよ!?」

「いや、ちょっと母さん…」


私に話して無い事ってなんだろう?

取られちゃうって事は「物」なのかな?


「ねぇ明。なんの話?私は聞かないほうがいい?」


お仕事関係なら聞かない方がいいだろうし、それ以外でも「聞かない方がいい」って言われたら無理に聞こうとは思わない。


「あー…。今はちょっと…。でも、いつか絶対言うからその時になったら聞いてくれるか?」


明が「絶対」って言ったらそれは絶対なんだ。

明は、言った事はちゃんと守る人だから。

だから…


「うん。いつか、聞かせてね?」


そう言ってにこっと笑うと、明も微笑んでくれた。


「ねぇお母さん?」

「ん?何?陽香」