「…余計なお世話だよ」


明が手紙を見てボソッと何か言ったけど、私にはよく聞こえなかった。


「…ねえ明、陽介おじさん、なんて?」


後ろから私がきくと、明は渋い顔をしてこっちを向いた。


「早く奥まで来いってさ」

「…ふうん?」


それだけじゃ無いような気がしたけどプライベートな事だろうし、陰陽師には踏み入れられたく無い線っていうものがある。

私はそこをちゃんと見極めてなくちゃいけないんだ。

だから、きかない。


「お父さんもああ言ってることだし、行こう?早和お姉ちゃん」


陽ちゃんが私の手を引きながら言う。


「うん。そうだね」


にこっと微笑んで返す。


「ほら、早く来ないと置いてくぞー」


明も数歩先で立ち止まって振り返った。


「「あ、待ってよー!」」


陽ちゃんと二人で叫んで明を追いかける。


「犬みてー」


明が私達を見て笑った。