「明さ、小さな頃から力が強かっただろ?それでその力が制御できるように…ってずっと修行しててさ…」
「今もしてるけどな」
「まぁそうなんだけど、とりあえず聞け」
つい横から口を挟んだらちょっと睨まれた。
「それで、ま、これは俺の知るかぎりなんだけど、お前って弱音吐いた事ないだろ?それってスゴイと思うぞ」
ちょっと考え込む。
「あー…。確かに無いかもしれないけど、それは早和のせいでもあるな」
「早和ちゃんの?」
「そ。あいつ小さい頃から心配性だったからな。まあ渉もだけどさ。とりあえず早和の前で弱音なんて吐いたら確実に心配して泣いてただろうから」
「あー…確かに。早和ちゃん昔はもっと泣き虫だったもんな」
「だろ?たぶん、だからだと思う」
「なるほど」
渉は納得したようにうなずいた…が、ふと俺の方を見てニヤリと笑った。
「…なんだよ」
多少ムッとした顔を向けている自覚がある。
この後言われる言葉なんて、容易に想像がついてしまうからな…。