お互いに驚き顔で見つめ合う。

背が高く、整った顔立ちに誠実そうな瞳。

『セイジ様』は、夏祭りで出会ったあの親切な男の子だった。


「うん?お前たち、知り合いなのか?」


おじいちゃんが不思議そうに尋ねてくる。


「さっき、夏祭りのこと話しましたよね。その夏祭りで会ったんです。とても親切にしてくれて…」

「ナンパかっ!?」

「違うよ、お兄ちゃん!!転びそうになったのを助けてもらったの!」


有り得ない誤解をされそうになって、慌てて力いっぱい否定した。

そもそも私なんかをナンパする人なんていないし。


「でも…、なんで、ここに?」


おじいちゃんの近くの一人掛け用のソファーに座った誠二君を見て尋ねる。

するとおじいちゃんがにこにこと微笑みながら口を開いた。


「誠二も、私の孫なんだよ」

「…ま、ご?」


とっさに家族関係を把握できずに、キョトンとする。

そんな私の様子を見て、お兄ちゃんが補足説明を加えてくれた。


「誠二は、俺たちの親父の弟…祐二叔父さんはわかるだろ?その祐二叔父さんの息子だよ。つまり、俺たちとは従兄弟どうしってわけだ」


なるほど。

やっと納得すると、誠二君がくすりと笑った。


「改めて、久城誠二です。歳は16だけど…、学年は早和ちゃんよりひとつ上だよ。噂の姫に会えて光栄です」