「…まさか、明とペアだとか言わないよな…?」
「お、お兄ちゃんすごい…。なんでわかったの…?」
ホントにすごい。
お兄ちゃん、ピタリ賞だよ。
そう言いながらも、私の笑顔が若干引きつる。
だって…絶対に、来る。
あの司お兄ちゃんのことだもん。
今までの経験上、この後の展開は…
「早和にペアアクセなんてまだ早いっ!それに、そんなのつけてたら似合いすぎて他の男が寄って来るだろうが!!外しなさいっっ!!」
「ぜ、絶対にイヤ!!!」
予想通り、過保護発言攻撃。
しかも意味がわからない。
だけど、外すのだけは絶対にイヤだったから、そこだけは思いっきり否定しておいた。
これは、明が私のためにとってくれたモノだもん。
好きな人が、自分のためにとってくれた…なんて、女の子にとってはすごく大事なことなんだよ!!
それだけで、そのモノが大切な物に変わるの。
このネックレスは、私の宝物なんだから…外すなんて絶対にイヤ!!
胸元のネックレスを両手でギューッと握りしめて、お兄ちゃんを睨んだ。
途端に小さくなるお兄ちゃん。
「そんなに…大切な物なのか?」
「当たり前だよ!」
しょぼんとしているお兄ちゃんにそう言い放つと、更にガクッとうなだれた後、片手をハンドルから離して私の頭を撫でた。
「…まぁ、明からなら、しょうがないか。でもな、早和。明以外の男から…なんてことがあったら、兄ちゃんは許さないからな?」
「…へ?」
どういうこと?
お兄ちゃんの言ってる意味がよくわからなくて首をかしげる。
「明だから、許すってこと。早和を任せられるのは、明しかいないからな」
「お兄ちゃん…」
お兄ちゃんも、明を信頼してるってことなんだ。
私が褒められた訳じゃないんだけど…つい、笑顔になってしまった。
「…早和、意味わかってるのか?」