ないないないない!!と思いっきり否定すると、ちょっと残念そうな顔をされた。


「なんでこれだけ一緒にいて何の進展もないの…?」

「や、だって…」


少々呆れたように言うさくらちゃんに、私はたじたじ。

だって、ありえないもん。

私は昔から明が好きだけど…

でも。


「明は…」


そうじゃない。

それに、私は明のお荷物でしかないから。

鳴海さんと楽しそうに会話をしている明を見つめる。

私は、明に迷惑をかけることしかできない。

早く明を解放してあげなくちゃいけないのに…。


「早和ちゃん」


突然、すごく真剣身を帯びた声が私に向けられた。

その声の主は、さくらちゃん。

驚いて顔を見ると、声と同様に真剣な表情で私を見ていた。

その瞳から、目がそらせない…。


「早和ちゃん…間違っちゃ、ダメだよ」

「…え?」


どういう…こと?

何を間違えるの?


「私はね…間違えてしまったの」


そう言ったさくらちゃんの瞳が、少し悲しそうに、切なそうに細まった。


「隼人を守りたかった。だけど…私は、間違った選択をしてしまって…隼人を、傷つけた」

「え……?」


そう話すさくらちゃんはすごく辛そうで…。

守りたいと思ったのに、傷つけた…?


「早和ちゃんは、明くんのことを大切に思っているでしょう?そして、そのことで悩んでるよね?」

「どうして…」


わかったの…?