つられて私もさくらちゃんの隣に立つ人物を見る。

背が高い…。

しかも、明に劣らないくらいに整った顔をしてる。

誰…?


「鳴海(なるみ)さん…お久しぶりです」

「やぁ、陽碧君。君も相変わらずそうだね」


私が再び頭を疑問符でいっぱいにしていると、明がその人へと話しかけた。

鳴海さん…?

っていうの?

明のお知り合い…?

会話を続ける二人を見ながら目をぱちくりとさせてしまう。

そんな状態の私を見たさくらちゃんがクスリと笑って、私に近づいてきた。


「早和ちゃん聞いたことない?鳴海製薬っていう会社」

「…鳴海製薬…って…うそ…」


さくらちゃんの問いかけに、目を見開く。

だって、だって!

鳴海製薬って…あれだよね?

日本で使われている医薬品の約80%を占める数を開発・生産してるっていう、あの有名な製薬会社だよね!?

医療なんてまったくわからないような私だって知ってる。


「隼人(はやと)は、そこのひとり息子なの」


すごい人なんだ…。

思わずじっと鳴海さんの顔を見つめてしまう。

にこやかに明と話す鳴海さんは、とっても優しそうな印象。

なんていうか…近所の面倒見の良いお兄ちゃんって感じ。

…って、こんな事言っちゃ鳴海さんに失礼か。


「…あれ?なんでさくらちゃんが鳴海さんと一緒にパーティーに来てるの?」

「ん?あぁ。それはね?」


さくらちゃんがにこっと笑って、微かに頬を染める。


「私が、隼人と付き合ってるからなの」


………え。


「えぇっっっ!?」


う、うそでしょ!?