「明!?」


間髪いれずに返してきたのは明。


「そう。早和は知らなかっただろうけどね、皆、最初から知ってたよ」

「…結希ちゃん」

「黙っててごめん。口止めされてたんだ…」

「渉くん…」

「お姉ちゃん、ごめんね…」

「陽ちゃんまで…」


「…そう言う訳だ」


ポンと頭をなでられて顔を上げると、ちょっと苦笑いした明がいた。


「だからテストの勝負は絶対に明に勝ってもらわなくちゃならなかったのよ」

「そうそう。引き分けって出た時はちょっとヒヤヒヤしたけどね」


結希ちゃんと渉くんがそう言って笑ってる。


「明に勝ってもらわなくちゃいけなかったって…どういう事?」

「まだわからないか?」


お兄ちゃんが苦笑いでパーティー会場の端を指差す。

それをたどって行った先には…




『久城 誠一郎 誕生パーティー』




久城 誠一郎…って…


「おじいちゃん…?」

「正解!」


パッと声のしたほうを振り向くと、そこにいたのは…


「お、お父さん、お母さん!」


にこにこと笑う私の両親。


「皆さん、こんばんは。今日は早和を連れて来てくれてありがとう」


娘の私から見ても美人なお母さんがにっこりと笑って皆に挨拶をする。


「いえ。嫌がったら無理やりにでも連れてくるつもりだったので♪」