「…ねぇお兄ちゃん?」
「んー?」
のんきに返事をするお兄ちゃんを見つめる。
「…緊張したりしないの?」
いつも通りでまったく緊張した素振りも見せないお兄ちゃんを不思議に思って尋ねてみた。
だけど、お兄ちゃんから返ってきた答えは…
「ぜーんぜん」
いつもののんきな笑顔。
「な、何で…?」
「だって…」
にこっと笑って私を見る。
「パーティーには何度も出た事があるから」
「………へ?」
思わず、ものすごく間抜けな返事をしてしまった。
…でも今問題なのはそこじゃなくて。
「何度も出た事がある…の…?」
「そう」
「普通に家で開いたりするようなのじゃなくて…?」
「うん」
こういう、パーティーに…?
「な、なんで?」
だってうちは皆の所のように財閥のお家でもないし、行く理由も行く方法もないはず。
混乱し始めた私を楽しそうに見ていたお兄ちゃんは、笑顔のまま、さらりと言い放つ。