「明…っ!?」

突然、明が両手に持っていたイチゴとブルーハワイのかき氷を2人組の顔に向かって投げつけた。

当然、男の人はびっくりして手を離すので私の腕は自由になる。

その隙に明はそれと逆の腕をつかんで、走りだした。


「早和!今のうちだ!走れ!」

「うん…!」


明に腕をつかまれても、全然嫌じゃない。

むしろ、安心する…。

明の大きな背中を見ながら、ふっと微笑んだ。







しばらく走って、2人組が追いかけて来ていないのを確認してから立ち止まる。

明がつかんでいた手を離して、私を振り返った。


「早和、大丈夫か…?って、大丈夫じゃなさそうだな」

「えっ…?」


大丈夫じゃなさそう…って?

訳がわかってないのに気がついたのか、明が苦笑して自分の目を指差す。


「目、涙目になってる」

「…!」

「…ごめんな。すぐに助けてやれなくて」


明がまた自分を責めてる顔をしてる。

気にしなくてもいいのに…。

そんな明を見て微笑んだ。