「あなたが、こんなことしてるの?お願いだから、明を傷つけるのはもう止めて!」
叫ぶように言った瞬間、背後からバサリと大きな羽の音がして、意識が途切れた…。
―――――――――………
ハッと目を開ける。
目を開いた先に広がるのは見慣れた天井。
「夢…?」
体を起こして辺りを見渡すと、暗くてぼんやりしているけれど、自分の部屋だということが確認できた。
目の表面に涙が溜まっているのがわかる。
目の前の光景がじんわりと揺れる。
「なんで、こんな夢を…」
声が震えてる。
声だけじゃなくて、体全体が震え出す。
「明…大丈夫、だよね?」
明に会って無事かどうか確かめたい。
「今…何時?」
時計を見ると、午前4時を指していた。
さすがに、この時間に家まで行くのは非常識だよね…。
「学校で会えるまで、待とう…」
ベッドに潜り込み、掛け布団を頭の上まで引き上げる。
ギュッと強く目を瞑ったけれど、結局、一睡もできなかった。