事の発端は陽ちゃんの一言。


「夏休みに避暑に行ってみたい!」

「よーし。だったら、あのパーティーのあるホテルの近くの別荘に、2,3日避暑に行くか!」


…という娘には弱い陽介おじさんの言葉により、


「なぁ、早和と渉と華坂も来ないか?パーティーも別荘からのほうが近いし」

「何!?早和が行くなら俺も行く!」

「お、お兄ちゃんも来るの!?」


あれよあれよという間に話は進んで…


「うわぁ…。すごい…。これが別荘だなんて…」


夏休みに突入して数日経った今日。

陽碧家、渉くん、結希ちゃん、私と司お兄ちゃん。

…という総勢8人で、私達は陽碧家の別荘に避暑に来ています!


「これをはたして別荘と呼べるのか…」


目の前の大きな建物を見てポカンと口を開ける。

別荘の裏手には山。

そして近くには海。

場所も丁度良くて、もうすぐ8月とは思えない涼しさ。


「最高の場所だよねー」


隣で結希ちゃんが伸びをしながら言った。