………。


「はああぁぁぁ!?」


たっぷりと間を開けてから叫ぶ。

聞いてない!聞いてないよっ!!

パーティーは1つじゃないの!?

そんな疑問を結希ちゃんにぶつける。

しかし、結希ちゃんから返ってきた物は…


「誰も1つだけなんて言ってないでしょ?」


さらりとした回答…。

確かに言ってない。

言ってないけど、でもね!?


「2つもあるなんて一言も言わなかったじゃない!」

「だって、言ったら絶対に嫌がるでしょ?早和は。だから逃げられなくなるまで隠していようと思ったのよ♪」


その語尾の音符が無駄に癪に障る。

だけど確かにその通りで…。

逃げられなくなるまで隠してたなんて、ひどいよ結希ちゃん!!

涙目でキッと結希ちゃんを睨んだ。

フフフ…と不敵に笑みを返してくる結希ちゃん。

かくして。

私は行きたくもないパーティー行きへの列車のチケットを2枚も手にしてしまったのでした…。