「明と同率なんて初めて!」

「早和、うるさい」


隣では明が抗議。

そんな事言うけど、

だって、だってね!?

今までずーっと明が1番で、何度挑戦しても勝てた事無かったのに!


「初めて明に追いつけたんだよ?すっごく嬉しい!」


どうしても笑顔になってしまう。

今までつらかった事も一気に吹き飛んじゃった!

どう考えても私って単純だよね?

でも、今日だけは単純にならずにいられないよ。


「じゃぁ、肝心の勝負の結果だけど…」


結希ちゃんがにこやかに言う。

あ…。忘れてた。

そう。肝心の勝負の結果。

私が勝ったら、明は一緒に夏祭りに行く。

明が勝ったら、私は夏休みにパーティーに行く。

そういう約束だった。


「今回は引き分けだったから…」


結希ちゃんの瞳がキラリと光る。