「内緒…って…」
「私と渉くんだけの秘密だもん♪」
あくまで明るく明るく…。
明は勘が良いから、ちょっとでも変なそぶりを見せるとすぐに何かあったって気がついちゃう。
だから、なんでも無い事のように言っておかなくちゃ。
「へ~?二人だけの秘密なんて、明、妬けちゃうわね?」
結希ちゃんがニヤニヤし始める。
いつもなら反論するとこだけど…
結希ちゃん、ナイス!
「渉くんも、言っちゃダメだよ?」
ついでににっこり笑って渉くんにも釘をさしておいた。
渉くんがつらそうな顔をする。
でも、ごめんね。
本当にお願いだから、二人には言わないでいて…。
――キーンコーンカーンコーン…――
「あ、チャイム。じゃ、また後で来るから!」
そう言い残して皆自分の席へと帰って行った。
もう少しで今日が終わる。
あとちょっと、頑張らなくちゃ。
その後もテストに集中して問題を解いていった。