「早和!出来た?」
「うん。まぁまぁかな」
今日は期末テスト。
休み時間に結希ちゃんが私の席までやってきた。
このテストに夏休みの予定がかかってるからね。
なんとしてでも明に勝たないと!
お兄ちゃんに勉強見てもらったんだし、自分でも結構できたと思った。
このまま行けば、もしかしたら初めて明に勝てるかもしれない♪
「明にはぜーったいに負けないからね!」
ビシッと明を指差して言った。
あの5人組の視線が少々痛いけど、今日は気にしない。
今日だけはテストに集中しないとね!
「ま、がんばれ」
明がフンと鼻で笑う。
その鼻、今に折ってやるんだから!
「早和ちゃん…」
渉くんが心配そうに話しかけてくる。
あれからずっと気にしてくれてるんだろうな。
「大丈夫だよ」
ありがとう、の意味も込めてにこっと笑った。
「何が「大丈夫」なんだ?」
明がきいてくる。
でも、
「内緒だよ♪」
そんな明ににっこりと笑ってやった。