「力にって…」
言いさしてふと考える。
お兄ちゃんは仮にも大学入試でトップだった人。
それくらいずば抜けて頭が良い。
だったら…
「ね、お兄ちゃん。勉強教えて?」
お兄ちゃんを見てにっこりと笑った。
「…だから、これをこっちに代入して…」
「あ、なるほど!わかった!」
「うん。やっぱり早和は飲みこみが早いな。さすが俺の妹だ」
というわけでお兄ちゃんにテスト範囲の勉強を教えてもらってる所。
お兄ちゃんは私の隣に座ってにこにこしてる。
そんなに飲みこみが良いとは自分では思わないんだけど…。
「お兄ちゃんの教え方が良いだけだよ。すっごくわかりやすいもん」
本当、家庭教師になれるんじゃない?ってくらいに教えるのが上手。
私がわかんなかった難しい問題も、らくらく理解出来ちゃったもん。
これで、ちょっとはましになるよね?
もしかしたら明に勝てるかも!
お兄ちゃんの説明を聞きながらそう思った。