そうして彼はまた走り出す。

ここをスタートととし
だんだん遠く離れて行く。



また空気に流れが生まれた。

今このトラックに
流れを創るのは彼だけ。

彼以外動く物はいない。

彼だけがこのトラックの上。

彼だけが流れを変えられる。





まるでここが世界の中心みたい。


彼が世界の軸で、
走って地球を転がすように回す。


そしてここからすべてが生まれて、
きっと世界が滅ぶ時、
このトラックと彼を最後に残すのだろう。