私は廉の元へと急いで行った。

「舞、どうだった?」
「んー、まあまあ」
「ご褒美とれそう?」
「どうだろ」
ご褒美か…。
何がいいなかな。

「葵、帰ろ」
と葵を誘うけど、いつもみたいに元気はなく、
「今日は無理」
と断られてしまった。

私は廉と二人で帰ることにした。

…なんか葵、可笑しいな。



触れそうで触れられない廉の手。
その距離がもどかしい。

「…手繋いでいい?」
「ん」
そう言い手を差し出した廉の手を握る。


…『好き』。
その言葉、その一言を言うだけでどれだけ勇気がいるのだろう。