今日も逞に会える!!と思い嬉しさで胸を膨らました。

家を出てしばらくすると、
「舞ー!!」
と相変わらず元気な葵の声。
「おはよ」
と私も欠伸をしながら葵に言う。

逞の事、舞に言うべきかな…?
と思ってるとタイミングよく、
「昨日の委員会どうだった?」
と目を光らせ聞いた。

私は少し俯き躊躇いながらも葵に言うことを決断した。

「…あのね、私。…逞の事が好きみたいなんだ」
と曖昧に言うと葵は優しく微笑んだ。

「逞が笑うとドキドキするし逞の一言で傷つくし、逞のことで頭がいっぱいになって一緒にいるだけで幸せ…って思うようになって。もしかしたら私、逞に恋しちゃったのかなって…」
私が頬を赤らめながら言うと葵は口を開いた。

「もう、それは恋だよ。私、応援する!!」

いつも馬鹿やってる葵も、この日ばかりは真剣に話を聞いてくれた。



「おはよ」
私が葵と教室に入って少し経つと逞が登校してきた。
葵は私を気遣ってくれたのか何も言わずに立ち去ってくれた。
…葵、ありがとう。
「アイツ、竹内って奴に何もされなかった?」
と逞が心配してくれる。
「大丈夫。ありがとう」


しばらくすると葵が戻ってきた。

「ありがとー、葵っ」
思わず私は葵に抱き着いた。
「私、恋のキューピッドするの好きだから。全然いいよ♪」
葵は私の背中に手を回した。

葵には天使の羽が見える。



総合の時間に体育祭の発表をすることになった私と逞。

「静かにして下さい!!」
ってさっきから言ってるんだけど全然静かにならなくて…。
「静か…」
私が、もう一度言おうとしたけど、逞の机を叩く音で止められてしまった。

逞の顔を見れば眉間に皺を寄せている。
「静かにしろよ。うるさい奴には嫌な競技押し付けるから」と逞が唸るようになれば、あんなに騒がしかった教室は急に静かになった。

「ありがと…」
と逞の優しさに感謝すれば、
「いや、俺の仕事でもあるから」
と、もう眉間に皺は無く優しく逞が微笑んだ。

「じゃあ、まずは競技を決めます」
そう言った逞は真剣な顔で皆に呼びかける。
…かっこいいな。
私は、ずっと逞を見ていることしか出来なかった。