「あっ、コレおいし〜い」


ポップコーンを一口食べて、わたしは感激した。

ホントにおいしいっ!


「キャラメル味って初めて食べた。あんまり甘くないし、これなら甘いの苦手な天人でも……」


言いかけて、彩人くんがハッとした。



天人くん。



その名前、彩人くんが口にするまですっかり忘れてた。


あまりにも楽しくて……。



「あの……」


何か言おうと口を開いたけど、言葉が続かず……。



変な沈黙が、2人の間の空気を悪くする。


そして考えてしまったのは、最低な事。



――今日の事、天人くんにも言ったりするのかな?




そんな事を、少しでも思ってしまった自分が嫌になる。



勝手だ……自分から誘ったくせに……。
めちゃくちゃ楽しんでたくせに……。



最低なわたしに、彩人くんは言った。