「ね、次はあれ乗らない? マーメイド☆」


「あ、うん……」


園内の絶叫系マシン、全制覇目前に!



「チケット買ってくるっ」


わたし、チケット売場に走り出す。



だけど――。



「あー、やっぱ……ちょっと休憩しよ」


疲れ気味の彩人くんが座り込んで、わたしは引き返した。



「大丈夫?」

「もち」


親指を立てて見せる彩人くん。



わたし、はしゃぎすぎてて、気づかなかった。



もしかして、彩人くん苦手だったとか……絶叫系。

それなのに、無理矢理つき合わせて……。



「ごめんね。あ、ポップコーンでも食べる?」


「おう」



ポップコーンと飲み物を買って、お祭り広場のベンチに2人で腰掛けた。