野山の地面はほとんど枯れ葉が埋め尽くし、その上に裸の木々が並んでいた。

野鳥でも調理によってはチキンのように美味しくできるはずである。
と一抹の不安を抱えながら、さらに不安なのは、実はこの手に持つ猟銃を使ったことがないことなのだが、とにかく街の裏山に僕とティナはやってきた。


でこぼこした足場の中、歩みを進めていくと、枯れ葉の中に埋もれている、落ちた木の実を突いて食べているのか、数羽の山鳥がいるのがわかった。

息を潜め、膝を曲げ、身をかがめる。

慣れない手つきで銃を構えると、その様子が彼女にも分ったのか「大丈夫?」と小さな声が背中の奥から伝ってきた。

「大丈夫。」胸の奥からそう返事をすると、僕は茶色い羽根を折りたたんだ山鳥をめがけて、引き金を引いた。


銃の弾が飛び出す反動で肘が動くのがわかった。

裏山に響いた銃声とほぼ同時にその場に居合わせた山鳥がすべて飛び立っていったように思えた。

耳が驚いたように震えている。

目の前に山鳥は一羽もいなくなった。