桜ヶ丘高校。

県内ではトップレベルの県立高校で、有名だ。

今日、そこに私は入学する。

「夏希ぃ〜!!こっちこっち!」

「今行く!」

クラスの表が貼ってある掲示板の前で私の親友、梨花が手をぶんぶん大きく振っている。

小走りで梨花のとこへ行くと、梨花が私に飛びついてきた。

「な、なに?どうしたの?」

「クラス…あたし3組だった」

そう言うと梨花は何故かため息をつく。

「私は?」

「………1組」

なるほど(笑)

梨花は私と同じクラスじゃなくてため息ついたんだね。

「夏希みたいないじりがいのあるやつと一緒じゃないなんて…」

「いじりがいがあるは余計!」

なんて、ホントは私も少し残念。

人見知りが激しい私は、必死に勉強して梨花と同じここを受験して、受かったんだもん。

「ぐす…夏希っ、すぐ遊びに行くからね!」

1組の前まで来ると梨花はそういい、3組の教室へと向かっていった。


いざ、教室に入るとなると緊張するな…。

ドアに手をかける。

今度こそ、人見知りを直さなきゃ!

頑張るのよ夏希!

心の中で自分を励ますと、私は教室のドアを開けた。