「私‥、空に溶けるように吹いたんです」

「空に?」

「はい
空に溶ければ雲と一緒に誰かに届くかなって思って‥
そしたらあなたに届きました」


そう言って彼女は、さっきと同じような柔らかい笑顔で俺にほほ笑んだ。