「雨宮さんは、何で病院に? 風邪でも引いたの?」 その瞬間、彼女の表情が曇った。 彼女は明らかに、病院の話題が嫌な様子だった。 「‥うん。 ちょっと風邪みたいなものかな‥」 触れては、いけないこと何だと悟った。 彼女のこと、何も知らないのに勝手なこと言って、傷つけてしまうのが怖かった。 だから俺は、差し障りのない言葉で返した。 「そうなんだ お大事に」