がばっと起き上がると鏡を見るのも忘れて制服に着替えると急いで下に下りていった。
リビングのドアを勢いよく開けて、ある人物を探す。

（……居た！！）
そう思いその人物の前に行く。
そして思いっきり声を張り上げて言う。

「何で起こしてくれなかったのさ、瑞樹！！」

奈津美が怒った相手。それは隣の部屋にもかかわらずたまにしか起こしてくれない（奈津美が気づいてない場合もあるが…）、瑞樹だった。

「……っるせーな！！起こしたよ！10回ぐらい！！」
「嘘だぁ！！！」

そんな光景を見ながら「今日も平和ね」と小さく呟いたのは瑞樹の姉、真衣だ。

「ほら、そんなことしてないで早く行くわよみんな揃って遅刻になっちゃうわ」

おっとりした口調で二人をなだめると、嬉しそうなでも泣きそうな顔で瑞樹に言った。

「奈津美ちゃんもすっかり馴染んだわね」
「……あぁ。」