ジロっとあたしを見下ろす。
その視線が怖いんだってば!
しかもあたしじゃないよ?保護者って言ったのは!!
「あの美人な人が言ってたんだ。あんたのことだろ?子離れできない保護者って」
うわ、やばいよやばいよ、この空気!!
「あ、あのぅ、中村さん?この人は」
「智香子も余計なことを・・いい機会だから教えといてやるよ、この子は俺の」
本気でやばい!!
この人このままだったら絶対に言っちゃう!!
もうこれしかないって思ったあたしは
「あーーーー!!!翔さん、部屋に戻りましょう!中村さん、それじゃあまた!!」
翔さんの背中を強引に押してその場から去ろうと試みる。
「柚子!!」
背中から聞こえる声にせっかく振り向かずに歩いてるっていうのに
翔さんったら態々思い切り振り返って
「彼女を呼び捨てにしていい男は俺だけだ」
そう言って今度はぐいぐいあたしの腕を引っ張ってエレベーターに乗らされた。
「はぁ」
ため息をつくあたしに
「何で止めた?」