肝心の事に気が付いたあたしに
今度は真剣な顔をして翔さんに頭を下げた。
「ごめんなさい。我が社の者が北原グループにした事を自供しました。
本当に申し訳ありません」
「そうか、認めたか」
「はい。その代わりお礼と言ってはなんですが。北原グループに融資はさせていただきます」
「でもそれじゃあ」
「いえ、父に叱っておきました。こんな原因を作ったのは父ですから..それに」
しゃんとしてて
大人で、綺麗で。
あたしもいつかはこんな風な女の人になれるのかな。
「柚子ちゃんはあたしの命の恩人ですから」
悪戯っぽく笑った志保さんは
本当にキラキラ輝いていた。