「君が離婚してくれて助かったよ」


笑顔であたしに話しかけてくる。

その笑顔も今は傷付けるには十分だ。


「そうだ、君に渡しておこうと思ったんだ」


おじいさまは近づきポケットから何かを取り出した。


「これは?」

「お礼、とでもいっておこうか?」

お礼

そう言って渡されたのは分厚い茶色の封筒。

中身は・・

「お金・・ですか」

「あぁ、君には本当に色々迷惑かけたからね」


何で?

みんなどうしてそんなことばかり言うの?



胸が痛くて

再び涙が溢れて来て


「失礼します」


封筒を返して走り去った。