「ゆ、ずちゃん?」

それは志保さんも同じみたいで

驚いた顔であたしを見る。


どうして志保さんがここに...


「あぁ、紹介するよ。彼女は俺の婚約者の高澤志保さんだ」


志保さんが..翔さんの婚約者?

嘘、だよね?


「嘘、でしょ?」


視線をゆっくりと翔さんに移すと


「こんなとこで嘘付いてどうなるわけ?」


笑みを零すと志保さんの肩を優しく抱く。


頭が真っ白になって行く中で


「あ。もしかしてその人?柚子ちゃんの好きな人って」


唯一明るい志保さんの声が耳に入る。


「そうなのか。それは失礼。邪魔したな。それじゃあ行こうか」

「はい。じゃあ柚子ちゃん。またね」

笑顔で手を振って中に入る二人。


違うんだよ?

あたしの好きな人は翔さんなんだよ?