「愛してるよ」 いつもと同じ声で囁くのは あたしの大好きな人。 「ほら、しょうがないな。おいで」 彼は少し呆れ笑いをしてからゆっくりと手を差し出す。 その手に、 その手をあたしは握ってもいいの? 触ってもいいの? 躊躇してるあたしに 「つかまんないの?」 今度は怒った声。 そうだよね。 だってあたし達夫婦なんだもん。 繋いでもいいんだよね。 安心して手を伸ばそうとしたその時だった