「お、お父さん..あたしは」
「もう決めた事だ。お前はまだ子供だ。..お前の結婚ごっこもこれでおしまいなんだよ」
結婚..ごっこ?
あたしと翔さんが過ごした日々は
全部“ごっこ”だったって言うの?
「違うよね、翔さん!あたし達そんな事は」
土足のまま上がり、翔さんのスーツにしがみ付く。
違うって言って欲しかった
二人で過ごした日々は
決して“ごっこ”なんかじゃないよって
そう言って欲しかったのに。
「すまない」
翔さんはそれだけしか言ってくれない。
そっか..
そうなんだ。
「お前最低だな」
あたしの後ろからいつからいたのか中村さんの声が聞こえる。
「最低・・そうかもな。お前と同じくらいにな」
もう止めて。何も聞きたくないよ