本当に大好きだった<完>



私から誘うことはなかったけど

私はなるべく会いたいから

塾が無ければ了承していた。

親には友達と遊ぶと言って…。

友達には了承を得ていたが

親への罪悪感はあったから苦しい思いも結構あった。

ホントは親に言いたかったが

私の家は厳しく、格好が派手なのもよく思っていなかった。

だから嘘で固めるしか龍也と付き合っていく方法が無かった。

だから私の地元で遊ぶのは絶対ダメで

いつも龍也の地元で遊んでいた。



龍也と遊ぶ日は私は機嫌がよく、

嫌なことがあっても凹んだりしなかった。

私の中で龍也の存在が大きくなっていっていることに

自分でも気付いた。



しばらくして、私の試験前となった。

成績がただでさえ悪い私は

龍也に会うことを控えた。

龍也の仕事は梅雨時で忙しく無い時期だったから

会えなかった20日弱はお互いに寂しく

少し位会いたいというメールが沢山きた。



それでも、学校より彼氏を優先するのが嫌だった私は

断り続けた。

最初は理解の無かった龍也も次第に理解してくれるようになり

毎朝、試験頑張れとメールをくれた。



やっと試験も終わり

龍也と会えるようになり、会いに行った。

試験中は龍也の香水と煙草の匂いがするだけで

恋しかったけど、それも終わりだと思うと嬉しかった。



龍也と会ったらそのまま公園に行く。

たまにコンビニで飲み物を買うこともあったが

基本的に最初の何回かはこのパターンだった。

龍也は私と待ち合わせたら絶対に私のことをからかう。

私が言い返すと龍也は更に言ってくる。

悔しいけど、龍也のからかいに私は勝てない。


結局

「うるさいから。」

「亜希面白~。すぐムキになる(笑)」

「ムキになって悪い?」

このやり取りをしたあとに

「嘘だよ~。ゴメンね(笑)怒った?」

と言いながら私の肩に手を回し私の顔を覗き込んでくる。

「ホントは反省して無いでしょ?」

「うん。」

このやり取りのあとに龍也は必ずキスしてこようとする。

彼の性格上、道の真ん中だろうが、他人が見てようが、

関係ないらしいが、私は人がいたら恥ずかしいから逃げていた。


でも、

「亜希~。俺のこと嫌い?今逃げたでしょ?」

龍也は口が上手く結局逃げられず、恥ずかしい思いをしなくてはならなかった。

龍也はホントに恋愛に慣れていて

私はついていくのに精一杯だったけど

この時が一番幸せでした。



こんな風にふざけ合っていると公園に着き

色々な話をした。

そして、何か会って慣れてきた時、何気なく

「今度友達に文化祭誘われたんだけど、その学校が男子校なんだよね。

行ってもいい?」

こう聞くと

「何で?ナンパされたらどぉするの?行かないで。

ってか、俺以外の男と遊ぶのとか絶対ダメだからね。」

こう言われた私は

/ナンパはされないから/

と心の中で突っ込みながらも、

内心は戸惑っていた。

でも、今までの私がチャラかったんだと

自分に言い聞かせていた。