そして龍也の実技試験の前日になった。
実技試験に受かれば帰れるのだ。
「明日の実技試験大丈夫?
龍也馬鹿だから心配(笑)」
「この俺が実技試験に落ちるわけないだろ。
いつから車のってると思ってるんだよ(笑)?」
「それ犯罪~(笑)」
「うるせー。俺が受かったら即効で帰るから。」
「山形から帰れるの?龍也電車乗れる?」
「乗れるから(笑)帰ったらすぐ会いたいから
明日準備しといて。」
こんな会話をしたことを今でも覚えている。
次の日。
この日はGWだったけど、
龍也に頑張れって言いたくて
早起きした。
そして1時位に
「俺受かったから今帰ろうとしてるから(笑)」
「龍也おめでとう。じゃあ、何時にどこ行けばいい?」
「俺の地元か亜希の地元だな。」
「私の地元は絶対ダメ。
じゃあ、龍也の地元に3時30分ね。」
こうして龍也が新幹線に乗っている間
色々な話をした。
でも、東京駅につくと
「俺、普段電車乗らないからわかんねー。
どれ乗りゃいいんだよ。」
「もぉホント馬鹿(笑)
今から調べて行き方送るから。」
こうして、私は龍也の地元までの行き方をメールした。
それでも、わからなかった龍也は
電車に乗り間違えて
結局4時に地元に着いた。
私もつけまを重ねるのに時間がかかったため
結局4時に着き、お互いに待たずにすんだ。
私は龍也が
免許合宿帰りで疲れているのに
会ってくれたことが嬉しくて舞い上がっていた。
「龍也~。久しぶり~。
ホント馬鹿すぎてうけるんだけど(笑)」
「ホント生意気だな(笑)
公園行くぞ。」
龍也の中で
公園に行くことは決まっていたらしい。
あなたはいつも強引で何でも決めちゃったね。
でも、そんな男らしいところが大好きだった。
公園は駅近だったからすぐ着いた。
「ってか亜希、そこで遊んでても浮かないんじゃね?」
小学生が遊んでる遊具を指差して
龍也は言った。
「こんな大人っぽい女子校生に何言うんだか(笑)」
そういって龍也を軽く叩いた。
「痛っ~。この生意気女(笑)
大人っぽいって俺からみたら餓鬼だけど(笑)?」
「龍也より頭いいもん。」
「はっ?それは高校生だからだろ?
中卒よりは頭いいに決まってるだろ(笑)」
龍也は中学卒業後、鑑別所に入る程の不良だったが
反省して更生したかは微妙だが(笑)
真面目に職人として働いている。
だから中卒なのだ。
負けず嫌いの私は
何か言われたら言い返していた。
すると、言い返すたびに
軽く叩き
龍也がどんどん近づいてきた。
「ってかジャージで山形から来るとか
龍也ぽいね(笑)」
「俺、作業着かジャージしか着ねーから」
「うん。そぉいう自分持ってるのいいと思う。」
ホントはもっと沢山褒めたいところがあったけど
恥ずかしくて褒められなかった。