「もぉ、今後一切龍也と関わらないでくれる?」
「勿論です。
…それでは失礼します。」
わずか3分位の会話だったと思う。
私は頭が整理出来ないまま学校へ行った。
でも、頭ではわかっていなくても体にでた。
気持ち悪くなってすぐ保健室へ。
微熱がでて早退した。
私はとりあえず、龍也の友達に電話をした。
「もしもし。亜希子です。」
「おぉ。久しぶりじゃん。どぉした?」
「龍也って何者ですか?今日龍也の奥さんから電話かかってきたんですけど。」
「…嘘。」
「ホントです。こんな嘘つきません。龍也は結婚してるんですか?」
「してるよ。
結婚式も呼ばれてないし、相手の子は名前と年しか知らないけど
かなりきつい子らしい。」
「奥さんと子供のこと教えて下さい。」
「名前は麻由で年は亜希子ちゃんとタメ。子供は悠斗だったかな。」
「ぁりがとうございます。」
「龍也は亜希子ちゃんのことホントに好きだったし
亜希子ちゃんのこと、今までの彼女で1番好きだったよ。
でも龍也は最低だな。」
{ホント最低だよ。でも聞きたくなかった。
どうせなら、遊びだったって言ってよ。余計悲しくなるじゃん。}
「色々ありがとうございました。
途中できつい口調になっちゃってすいませんでした。」
「まぁ、龍也より良い男は沢山いるよ。例えば俺とかね(笑)
辛いだろうけど、頑張って。」
「龍也は最低なんで、全然大丈夫です。ありがとうございました。」
「いーえ。じゃあね。また、いつでも連絡してね。」
最後は強がって龍也のことを忘れたように言った。
そして、龍也の友達とも連絡をとることはなくなった。
私の恋はホントに終わった。
最後は龍也にさよならも言わずに…。
龍也に伝えたいことなんて、山ほどあった。
お互いが求め合ってるのに、離れなきゃいけないことが
こんなに辛いことだって思わなかった。
また、愛してるって言って抱きしめて欲しかった。
私が納得いくまで騙し続けて欲しかった。
でも、この時は悲しいとか寂しいとは全然思わなくて
何が起こったかわからない放心状態だった。
現実を受け入れられなくて涙も出なかった。
でも、龍也のことを非難しながらも
私を支えてくれた友達には連絡しなければならなかった。
支えてくれた友達は沢山いた。
その中でも、紅と美紀には直接電話で伝えた。
恋愛よりも、私のことを心配してくれた。
龍也のことが嫌いでもいつも味方でいてくれた。
時には、厳しく怒ってくれた。
私は友達が居なかったら
この恋愛を乗り越えられず、どぉなってたかわからない。
電話では
[忘れられないかもしれないけど、忘れなきゃダメ]
と言われた。
そして、龍也は私と奥さんと子供を裏切った最低な人だと教えてくれた。
私がここまできても、龍也のことをかばっていたから…。
龍也と別れて私は荒れた。
荒れたと言っても少しチャラくなった位だ。
色んな男の子と遊びまくった。龍也の代わりが欲しくて…。
でも龍也と付き合って自分の好きな人以外と遊んでもつまらないことを知った。
普段ならつまらなくなくても
龍也の変わりを探すと思うだけで、つまらなく感じた。
私は1度に1人しか好きになれないし
友達は友達。好きな人は好きな人。
龍也の代わりはいない。
無理に探しても見つかるものじゃないし
自分のしてたことの馬鹿さに気付き
男友達と会うのを止めた。
そして、今後龍也以外の人を好きになるのは無理だと思った。
知らない間にとんでもなく一途になっていた。