「大丈夫。あたしが雫の味方なのは、変わらないから。」


ずきん、ずきんと、右腕の傷痕が痛む。

ねぇ、あーちゃん。一体、何が大丈夫だというの?
あーちゃんが傍にいない世界で、私が生きていけるはずないのに。今までだって、2人の世界で生きてきたはずなのに。

がたん、あーちゃんが席を立つ音がいやに大きく鼓膜を揺らす。言いたいことはたくさんあるのに、遠ざかっていく背中に声をかけることはできなかった。

ずきん、ずきん……
いまだ傷は痛んで。
先の見えない不安に押しつぶされそうになる。

裏切ったのも傷つけたのもきっと私だけど、それでも、心にぽっかりと大きな穴が開いたように感じた。


「あーちゃん。」


大好きな双子の片割れ。
あーちゃんの存在が私を支えていた。あーちゃんがいれば、私は何だって耐えられたのに……