ごめんなさい、旭ちゃん。
本当に、本当に、ごめんなさい。
最初はただ、単純に、旭ちゃんと大谷くんを引き離すことが、大谷くんに旭ちゃんを取られないようにすることが、私の目的だった。
それこそが、私が大谷くんに近づいて、嘘まで吐きながら付き合い始めた理由だった。
…――なのにまさか、私が彼を好きになるなんて。
偽りの恋心で付き合い始めた頃は、大谷くんなんて大キライだったのに。
でもそんな私の気持ちに、大谷くんは気付いていて。全て知った上で私と付き合い、私の言葉で傷つけた。
どこをどう考えても、最悪で最低なのは私だけなんだよね。
「大キライ、でも構いません。まぁ確かに、面と向かって言われたときは、わかっていても結構ショックを受けましたけど。」
手を引かれるままに連れて来られたファミレス。制服姿でこんな時間、明らかに浮いてはいたけれど。
「気付いていながら笹川先輩の告白を受けたのも、それを選んだのも、オレですから。」
向かい合って座りながら、大谷くんはゆっくりと話し続ける。私が俯いていたせいで、彼の表情はわからない。