その後、お通夜とお葬式が行われた。

僕は涙さえ出なかった。

ただひたすら棺の中で一生目覚めることなく眠り続けている奈乃香のことを見つめていた。

目覚めるかもしれないという期待を込めて…



だけどとうとう奈乃香が骨にされてしまう。

今度は僕は奈乃香が笑っている写真をただひたすらに見つめた。

この悪夢から早く目覚められるように…



どんなに願っても悪夢から覚めない。

僕はやっとわかったこれは夢なんかじゃない、現実なんだと…

でもそのことを理解しても受け止められなかった。

そしたらいつの間にか奈乃香が大好きだったあの公園に来ていた。

―スミレ公園―

僕がブランコに乗っていると後ろから

「隆平君?」

と声をかけられた。

―奈乃香?-

そう思い後ろを振り向くとそこには奈乃香のお母さんが立っていた。