「どうすればいいんだ! 教えてくれ! トモエがここから出てはいけないって言ったんだ! もう会えないって言ったんだ! トモエを連れていかないでくれ! トモエがいるところに連れていけ!」





僕は呆然としていた。





支えがなくなるとこれほどまでに脆い存在だったのか。





そんな騒ぎを聞き付けたのかリューネが病室に飛び込んできた。





「私が連れていく! トモエさんのいる場所に連れていく! だから落ち着いて!」





後を追い三人の看護士がヨシキの身体を押さえていた。





「大江先輩! 私が連れていってあげるから! どんな場所にだって連れていくから!」





年を重ねた看護士に、アナタも手伝いなさい、と言われてやっと我に返った僕は彼を囲む輪に加わった。