「さっき、君のお父さんに会ったよ」





リューネがメイクを直しにトイレへ行ってから僕は話し始めた。





「オレは13年会ってないよ」





不思議な空気が流れていた。





それは不快でもなく気味が悪いわけでもない。





むしろ心地よく僕の身体を巡る。





「寂しくはない?」





「父親に会えなくて寂しいと思ったことはないよ。傍にトモエがいてくれればいい」