だけど彼は、両足を複雑骨折しただけだよ、そう言ってもう一度傷だらけの顔で笑った。





「大江先輩………」





イスに腰掛けリューネが手を握る。





顔と同じ擦過傷の両手は包帯を巻かれていた。





「無事でよかったよ」





「死ぬ気なんて少しもなかったんだ」





彼は重なる手を見つめて言った。